胃ガンの手術費用はいくらだったか
昨年の秋に初期の胃がんが見つかって胃の2/3をとる手術(割とスタンダードなやつ。雨上がりの宮迫さんもこれ。専門的には「幽門側胃切除術」と言う)を腹腔鏡手術で受けました。
入院手術の費用やその前後の通院にいくら費用が掛かったか紹介します。
- 胃がんの手術費用はいくら?
- 胃がん手術までの大まかな流れ
- 胃がん手術前後にかかった費用
- 手術前に手術費用ってわかる?
- 胃がん入院手術費の請求額
- 健康保険組合から補助が出た
- まずは己の状況を確認すべし
- 今後の通院について
- 転移があった場合やほかのがんの場合に継続してかかるお金
胃がんの手術費用はいくら?
入院(10日間)&手術で約18.5万でした。
詳しく内訳を説明していきますね。
胃がん手術までの大まかな流れ
- 9月:近所の個人病院で胃カメラ、生検(ガンかどうか組織を検査して調べる)、告知、手術のできる大きな病院に紹介
- 10月:紹介された病院で詳しい検査
- 11月:入院手術(入院期間10日)
という流れです。
金額だけでいえば大事なのは、月ごとに物事を考えること。
限度額適応認定も月ごとでの判定・計算になるので、入院手術が11月にまとまったのはラッキーでした。
胃がん手術前後にかかった費用
<9月>合計9,910円
①胃カメラ+生検 8,780円
②告知(生検結果説明) 1,130円
<10月>合計36,800円
③初診+採血 4,520円
④胃カメラ+CT(造影剤入) 19,760円
⑤大腸カメラ 9,180円
⑥手術前の検査 3,340円
<11月>合計185,337円
⑦手術前日に胃カメラ+手術費+入院費 183,867円(高額療養費制度適用後の金額)
⑧術後1ヵ月検診(血液検査+X線検査) 1,470円
<2月>
⑨術後3ヶ月検診(血液検査) 2,830円
手術前に手術費用ってわかる?
ざっくり、いくら費用が掛かるか知りたいですよね。
実は私の入院した病院は「がん相談支援センタ―」のある拠点病院だったので、そちらに相談しても詳しく教えていただけたと思うのですが、ちょっと調べたいだけだったので、ネットで「胃がん 手術 金額」で検索しました。
そしたら金沢大学の外科のページに「幽門側胃切除術で約1,200,000円」とあったので、それをもとに計算しました。
120万!ときいてびっくりする人もいるかもしれませんが、安心してください。
これは3割負担前の金額だし、日本の医療制度は国保や健保に入っていたら、高額療養費制度という素晴らしい制度があります。
なので入院費もそこまでは高額にならないはず。とはいえ、いくらか概算が知りたいので、計算してみることにしました。
自分の 限度額区分を確認
限度額は70歳未満と70歳以上で変わりますので、70歳未満の方をチェックします。
所得によって区分が5つに分かれています。
①年収約1,160万円~②年収約770万円~1,160万円③年収約370万円~約770万円④~年収約370万円⑤住民税非課税
ほとんどの人が③に該当するそうです。
ちなみにこの区分は2015年に見直されて自己負担限度額の金額が上がっています。
70歳以上の人の区分も2018年から上がっており、国にお金が無いんだなーっていうのを実感します。
うちは②の枠でした。かなり③に近いので本当に痛恨です…。
うちと年収1200万近い家庭を一括りにしないでほしい…(T-T) よく基準になる年収910万以上~で区切ってほしかった…。
手術費用をざっと計算
金沢大学HPの120万という手術費用を入れて計算してみると、
167,400+(医療費-558,000)×1%
=167,400+(1,200,000-558,000)×1%
=173,820円
自己負担限度額の計算は173,820円となりました。
ちなみに入院中の食事代差額ベッド代などは対象外です。
個室へのグレードアップなどは考えていなかったので、「だいたい20万と思っておけばいいのかな…。」と心づもりができました。
他区分の場合も計算してみた
他の区分だった場合の手術費用も出してみました。
所得が①だった場合、
252,600+(医療費-842,000)×1%
=252,600+(1,200,000-842,000)×1%
=256,180円
所得が③だった場合、
80,100+(医療費-267,000)×1%
=80,100+(1,200,000-267,000)×1%
=89,430円
所得が④だった場合、57600円
所得が⑤だった場合、35,400円
よく家計の読み物系で、FPの人が「入院したって大多数の人は9万ぐらいしか入院費用が必要ない」って言ってるのは、多数の人が③に該当するからなんですねー。よくわかりました。
胃がん入院手術費の請求額
病院からの請求書です。
保険適用分 183,709円
保険外負担 158円
---------------------------------
合計 183,867円
となっていますね。
158円の自費のものって何だったんだろ…。
こちらの額を退院時に払ってきました。
健康保険組合から補助が出た
私は民間の医療保険に入っていませんでした。なので、かかった医療費は全部家計から出す必要があります。「手術前の検査4万弱、手術代18.5万か…払えない額ではないけど地味に痛い…。」と思っていました。
…が、なんと!夫の会社の健康組合の方から補助金が出ることが分かりました!(私は扶養内パートなため、夫の会社の健康保険に入っています。)
ちゃんと確認したところ、月2万円以上の医療費がかかった場合、自分たちの手出しは2万まででそれ以上は組合から支払ってもらえるシステムになっているようです。
嬉しすぎるっ.:。+゚. .:。+゚. (○ノω`o)゚ノ。+゜*。.:。+゚
なので、<10月>合計36,800円の分は16,800円、<11月>合計185,337円の分は(食事代などは補助なしなので)15万位がそれぞれ振り込まれる予定です。
まずは己の状況を確認すべし
私はFPさんの家計簿診断とか、おカネ関係のネットの読み物を見るのが好きなのですが、以前「自動車系などの大きな会社では健康保険組合が手厚い」って書いてあって、
「トヨタとかの大会社はええなぁ~」と他人事にとらえていたんですよ。
だって夫の会社は住宅補助費も2万しか出ない福利厚生の少ないケチな会社だ…と思っていたので、まさかこんなに医療費に関して手厚いなんて思ってもみませんでした。
民間の医療保険にどのくらい入るべきか判断に困っている方は、一度自分の入っている健康保険の組合などの独自の補助の手厚さ具合を絶対確認すべきだと思います。
確認した後に判断するとムダがなくていいんじゃないかと思いました。
今後の通院について
手術で切り取った胃を病理診断したところ、胃からリンパ節への転移がなく(胃がんになったらまず最初にリンパ節に転移するらしい)、抗がん剤などの薬は飲まなくてすみました。
今後は経過観察のチェックのために術後1ヵ月のあとは3ヶ月ごとの通院ですむみたいです。(既に2回受けていますが、検査自体は数千円で済んでます。)
転移があった場合やほかのがんの場合に継続してかかるお金
転移がなくて本当によかったと思います。抗がん剤は肉体的・精神的・家計的にもきついとよく聞きますので…。(下のページを参考にしました。)
あと、これは乳がんになった義母やママ友から聞いた話なのですが、乳がんはホルモン剤を飲むことが多いようで、それが月に2万ぐらいかかると。それを最低5年(最近は10年になりつつあるらしい)は続けるそうです。
2,3回だったら払えない額じゃないけど長期間になると、つらいですよね。
2万×12ヶ月×5年=120万/5年間、10年したら240万もかかります。
ママ友は医療保険からおりたお金はもう使い果たして、純粋な出費になっているそうです。
義母は5年前に5年目が過ぎて、担当医にもう5年続けるかどうか聞かれたそうです。結局薬はやめることにして、特に何もなく寛容となったからよかったのですが、急に命に係わることではないにしても、薬の代金と自分の命とを秤にかけるのはつらい気持ちだと思います。
なので、今回の私の入院を踏まえて、夫にがん保険に入ってもらうことにしました。
これはまた後日第2回の保険の見直しで書くことにします。